第2章 ぬくもり
「変装が一番いいのかしら。でも・・・。」
向「あっ、ユーリ携帯もってる?」
「は?あ、えぇ。一応ね。」
母さんが心配だからと昔渡してくれた。
全く使っていないんだけど、ね。
跡「番号とメルアド教えろ。命令だ。」
「・・・迷惑メールとかしないわよね?」
忍「いいから貸しや。よっとっ。」
忍足に携帯を奪われてしまった。
迷惑メールは絶対倍返しするわよ。
・・・レギュラー全員に教えてしまった。
この上なく後悔してる。
鳳「俺のも登録してください!」
穴「後でメールするからよ(^^)」
面倒だわ。一気に登録出来ないのかしら?
後で滝にもアドレス聞いておこう。
「ほら、練習再開しなさい。時間ないわ。」
日「分かってますよ、先輩。」
またラケットを持って練習しだす。
テニスしてるみんなは、笑顔だった。
どうしてそんなに頑張るの?楽しいの?
あたしにはわからない・・・・・。
滝「ユーリ、どうかした?」
「いいえ、何でもないのよ。」
いつのまにか隣にいた滝。
心配されるのが一番嫌いなの。
感情を表に出さないようにしなくちゃ。
『ユーリ・・・?ごめん、な・・・?』
「っ。・・・どうして謝るの・・・。」
思い出した、懐かしいあなたの声。
嫌!もうやめて、思い出したくない!
でも・・・。忘れたくないよ、ショウ。
滝/跡/忍「・・・・・。」
あたしはみんなと一緒にいる。
ただそれだけでいいのに。何で?
時々、どうしようもなく突き刺さる。
あたしがあたしじゃないから?
本当のあたしを隠しているから・・・?
「これで、いいのに。」
深い溝のある距離感。みんなとあたしの。
だけど、リョーマとあたしよりは浅い溝。
ぬくもりに包まれながら、あたしは。
まだ・・・もがいている。