第2章 出会い
目の前にご飯を出されると急激な食欲が溢れてきた
『………』
夜「いっぱい食べてね!」
『…どうも…』
はお茶碗を受け取ってご飯を食べる
『(美味しい…)』
食べるスピードが上がる
葵「ゆっくり食べないと詰まるよ!」
『…すみません…味があるもの…久しぶりに食べたので…』
駆「味があるって…何食べてたの!?」
『……草とか…木の実とか…』
涙「草…」
郁「木の実…!?」
葵「じゃあ尚更ゆっくり食べないとね。胃がびっくりしちゃうよ」
『…はい…』
不思議なくらい優しい
どうしたらいいのかわからない…
今までこんなに優しくされたことがない…
葵「…そんなに難しい顔しなくても大丈夫だよ」
『え…』
葵はニコッと笑ってを見る
『(…?)』
―――――
始「ここは今日からお前の部屋だ。好きに使っていいぞ」
案内された部屋にはベッドと机が用意されていた
『ありがとう…ございます…』
始「何かったら誰でもいいから聞いてくれ。ゆっくり休めよ」
始はの頭を撫でて去って行った
『(私の…部屋…)』
中に入ると小さな本棚の中に何冊かの本が
棚には可愛いぬいぐるみ
『(部屋まで…。見知らぬこんな私のために…変なの…)』
コンコンッ
『…?』
駆「あ、俺!駆だよ!」
少しだけ扉を開けて外を見ると駆が何かを持って立っていた
駆「寝てた?起こしちゃったかな」
は小さく首を横に振った
駆「よかった!あ、それでね、はいこれ!」
駆が持っていたのはウサギのぬいぐるみ
『…?』
駆「これね、ツキウサっていうんだ!1人で寂しいかなーって思って…」
『(今まで1人だったから全然大丈夫だけど…)』
は部屋から出てツキウサを受け取った
『あり…がとう…ございます…』
駆「!!…うん!」
駆は嬉しそうに自分の部屋へ戻っていった
『…?』
も自分の部屋の中へ戻っていった