第2章 出会い
女の子は用意してくれたTシャツに袖を通した
サイズが大きくて長袖のようだ
そして扉から少し顔を出した
駆「あ、終わった?」
『…!』
女の子は肩をびくつかせて扉に隠れる
駆「あ、怖がらないで!何もしないから…」
『………』
駆「とりあえず…温かい飲み物用意してくれてるから…行こ?」
『………』
女の子は少しずつ扉から出てきた
駆「こっちだよ」
ついて行くとそこにはさっきの人たちが
葵「あ、やっぱりサイズ大きいね」
新「萌え…だな」
葵「新……」
春「座って座って」
恋「はい、これココアだよ!」
『(この人たちは…何で私にこんなことを…?)』
女の子はみんなと少し距離をとりながら席に着いた
そしてテーブルに置かれたココアを両手で持ち、少しずつ飲んだ
『…!』
久しぶりに胃に物が入っていく感じがする…
始「聞かせてもらいたいんだが…」
始は女の子の前に座った
女の子は始を警戒するように見る
始「…そんなに警戒しなくても大丈夫だ。とりあえず…名前は?」
『………』
始「か。何歳だ?」
『……15…だと…思います…』
始「思います…?」
『…誕生日…わからない…ので……』
恋「わからないって…」
始「……家は?電話番号はわかるか?明日送っていく」
『…家…ないので…』
春「家がない…?」
『…………』
始「どういうことだ…?」
『…お世話になりました…ココア美味しかったです…』
はイスから降りてみんなにお辞儀をして部屋から出て行こうとした
始「ちょっと待て」
始はの腕を掴んだ
『…!!や…っ』
始「…!」
掴んだ腕は微かに震えていた
始「何があったんだ。教えてくれ」
『…何故ですか…?あなたたちは…私と血が繋がっている訳ではありません…。なのに何故…見知らぬ私にこんなことを…』