第2章 帰って来た彼と恋人
『そう健君を探さないと行けないの、彼昨日からずっと連絡がつかなくて、スマホに何度連絡を入れても出てくれなくて授業にも出てないんだもの!』
『分かったから少し落ち着け、心当たりは探したのか?』
『うん、彼が行きそうな場所は全て回ったよ!でも見つからなかった・・』
『誰でも一人になりたい時はあるんじゃないのか?』
『それはそうだけど、でも・・今の彼を一人になんて出来ない、絶対に一人で悲しんでいると思うから』
『・・余程大切な相手なんだな』
『うん、大切な人だよ。』
『そうか・・』
筧は注文したアイスコーヒーを飲み干すと、立ち上がった。それにつられても立ち上がると筧と二人喫茶店から出て歩き出す
『そいつの家は知っているのか?』
『うん、自宅にも連絡を入れたらお母さんが出ていつもと変わらず学校へ出掛けたって』
『・・なら学校へいる可能性もあるんじゃないか、もしくはお前と所縁のある場所とかな』
そう言われて思い出した場所は二つあった、1つは彼と出会った公園の噴水前、もう1つは二人の思いが通じ会った学校の屋上。
『2ヶ所残ってた、どうしよう・・』
『何処だ?』
『学校の屋上と公園の噴水前だけど』
『なら学校へは俺が行く、元より転校書類を持っていく途中だったからな。』
『分かった、ならお願いするね』
『特徴を教えてくれ』
『えっと・・長めのボリュームのあるストレートの金髪で身長は、筧よりももう少し高いかな、あと瞳は綺麗なエメラルドグリーンでパッチリ二重で端正な顔立ちだけど優しい印象で』
『もういい、十分把握した』
『そう?ならお願いね!見付けたら直ぐに連絡をして番号は』
『俺は昔のままだ』
『えっ、そうだったの?私もだよ』
『そうか、なら気を付けて行けよ』
『うん、ありがとう筧』
スタスタとあっという間に見えなくなる筧の後ろ姿に、は笑みを浮かべると踵を返し公園へ向かい走り出す。
先に到着したのは筧だった
まだ午後の授業中とあり生徒達は教室にいるのか校内は静かで、筧は迷うことなく屋上へと上がると広々とした青い空が筧を出迎える。