第2章 帰って来た彼と恋人
背後から聞こえた声に懐かしさを感じた
2年ぶりになる彼は声も低く背丈も一回り成長していて、驚きに目を見開くに、筧はゆっくりとした足取りで長い足で歩み寄る
『そいつは俺のつれだ、悪いが他を当たってくれ』
『・・チッ』
一瞬強く握られた手首に痛みが走ったものの、男が腕を離すとすかさず筧がの手を引き自らの後ろへと追いやると、男は不機嫌にサングラスをかけ直しつつ口角をつり上げた
『テメェ、女の変わりにテメェが付き合うか?』
『遠慮しておく』
『ふん、ハッキリ言うじゃねーか、この俺様に物怖じしない態度は気に食わねぇがまぁいい、こっちも予定がある、次会った時は覚えてなカス』
『・・・・』
男は筧を一睨みしてからゆっくりとした足取りで去っていった。
『・・はぁ、助かった』
『助かった?ではないだろ、お前はいったい何をしているんだ!?』
『ご、ごめんなさい!』
『・・ッ嫌、すなまない怒鳴ったりして』
『えっ?・・筧が謝るなんて』
『悪いと思えば謝るのは当たり前だ』
『・・信じられない、本当にあの筧なの?』
『お前・・何気に失礼だぞ』
『あっ、ごめんなさい、つい本音が』
『おい』
『だって、2年前の筧はプライドの塊で謝る処か自分が全て正しいって人の話なんて聞いてくれなかったじゃない』
『・・そうだな、反省している』
素直な筧に、は言葉を失い呆けてしまうと、筧は咳払いをしてから場所を変えようと近くの喫茶店へと入った
『筧、本当にどうしたの?アメリカで何か変な物でも食べて頭壊れちゃったとか?』
『お前・・他に発想が働かないのか?流石に傷付くぞ』
『だって、本当に別人のようだったから・・まるで、昔の・・小さい頃の筧みたい』
まだ幼かった頃、今ほど落ち着いてはいなかったが筧はいつも優しくどんな時も身を呈して守ってくれる男の子だった。
そんな懐かしい記憶を辿り黙ってしまうに、筧は素朴な疑問を投げ掛ける
『まだ授業中だろ、何故一人でこんな繁華街にいた』
『それは・・ッ健君!』
『健君?』