第1章 突然の別れ、そして出会い
『惚けるんじゃないわよ!水町君あんたにベッタリじゃない!あんたが彼をタブらかしたに決まっているわ!』
『水町君は皆のものなんだから、貴女が側にいられるのは迷惑なのよ。』
『そんな・・』
『金輪際、彼に近付かないと誓いなさい。』
『・・・・』
『返事をしなさいよ!』
余りに一方的な要求に
は怒りに拳を握り締め黙りこんでいると、無言になった
にイラついた女の一人に肩を強くどつかれ尻餅を付いた姿を見て女3人が笑って見下ろしていると、屋上の真上に設置された吸水タンクから大きな欠伸が聞こえて来て、3人が誰かいたのかと顔を上げた時だった
『さっきから随分勝手なこと言ってたみたいだけど、あんた達なんなの?』
『み、水町君!?どうして』
吸水タンクから飛び降りて来たのは何と噂の張本人水町で、彼はを守るように前に降りてきた為、その広い背中の影となり女3人に対する水町の顔色をうかがい知る事は出来ないだが、女3人は青ざめた顔で水町を見上げていた
『あのさ、この子は俺にとって大切な子なんだよね、だから傷付けないでくれない?つーかさ・・次、
に何かしたら、俺何するか分かんないから。』
『ひぃ』
『ご、ごめんなさい!』
女達が青い顔で逃げ去る姿に、が呆然と座り込んでいると、水町は振り返り腰を下ろすなり悲しげな目で頭を下げてきた
『ごめん!何かしんねぇーけど俺のせいだ』
『水町君は悪くないよ、謝ったりしないで』
『いや、俺のせいだ・・。の事守ってやりたいって思ってたのに、俺が原因で傷付けてちゃ世話ねぇよな・・』
『水町君・・』
『俺、マジだから。お前を好きだって気持ちも守りたいって思いも嘘じゃないからさ、だから俺から離れんなよ?な・・?』
いつも笑顔の耐えない彼の不安に揺れる瞳を見つめていると、は彼の胸に飛び込んでいた。
『離れたりしないよ』
『!?』
『だって・・私も、水町君が大好きだから』
『えっ』