第2章 帰って来た彼と恋人
小さな頃から隣にいるのが当たり前で、良いところも悪いところ知りつくしているからこそ、2年ぶりに再開した筧の変わりように戸惑いは隠せず、まして渡米直前に喧嘩別れをした相手に恋人の捜索を手伝って貰うとは、流石にどんな顔をして会えば良いのか分からず溜め息をついてしまうと、水町は掌に拳を打ち大声を上げた
『そう言えば筧って奴に礼をしないとな!その前に謝らないといけないか』
『えっ、お礼!?謝るっていったい・・』
『いや~あいつにさっきな』
屋上での出来事を思い出すよう腕組みをした水町は一人語り始める
『あいつはお節介で気が強い、おまけに言い出したら聞かない頑固さはあるが、お前の事を真剣に心配しているぞ。』
『・・心配って、俺は勝手に部活辞めたってのに』
『辞めた?』
『ああそうだよ!だからほっといてくれ、俺はもうに顔向けなんかできねぇんだ!』
『・・おい、理由は知らないが、お前が思うような女ではないぞ、あいつは。』
『はぁ?何を言って』
『あいつは、人の気持ちに敏感だ・・だから、お前が今落ち込み苦しんでいる事を心配しているんだ、お前もを少しでも知ってるならそれくらい理解しろ』
『・・何だよ、偉そうに。』
『言っただろ、俺はあいつの幼馴染みだ。嫌でも性格は把握するくらいは長い付き合いなんだよ。』
『言っておくけどな、今と付き合っているのは俺なんだからなっ!』
『それくらいは見ていればわかる、いちいち宣言するな。』
『~~~ッ!』
『いいからさっさと行け』
『分かったよ!』
『ああ、お前名前は?』
『水町だ』
『そうか、俺はアメフト部に入部する、お前も興味があれば顔を出してみろ。面白いぞ。』
『お断りだ!』
水町は筧の全てを見透かしたような態度が気に食わなかった、それと言うのもと幼馴染みと言う響きが頭の片隅にこびりつき苛立ちを押さえられず一刻も早くに会いたい一心で公園へとかけて来たのだ。
『筧がそんな事を・・』
『冷静になって考えてみると、あいつの言っていた事は全て正しい事だし、俺達を思って屋上迄呼びに来てくれた相手に礼も言わずに来たからさ』
『健君・・、それは私も同じだよ。ううん、寧ろ謝らないといけないのは私なの』