第2章 はじまり、そして出会い
「お帰りなさいませ、秀吉様、政宗様」
「………」
「(三成さん、先についてたんだ。隣にいる人は初めて見るな。信長様も……きっともう城にいるってことだよね)」
私の緊張に気づく様子もなく、政宗さんはどこか上機嫌に目を細めた。
「家康が出迎えに顔を見せるとは思わなかった。珍しいこともあるもんだな」
「え、家康って……」
「三成の隣で仏頂面してる男だ。ちょうどいい、挨拶しとけ」
政宗さんに馬から降ろしてもらい、なぜか当然のような顔で手をひかれ、三成さんともう一人の男性が待つ門前へ向かった。
「お待ちしてました、香菜様、陽菜様」
「(癒されるな、この笑顔。波乱続きだから余計にしみる……。ってそれより……!)
「あの私達、信長様に会うつもりない……」
「……弱そうな女」
私の言葉を遮って、家康と呼ばれた男性が眉をひそめる。
「あんたが、香菜?陽菜?」
「陽菜です。初めまして……。あなたは家康さん……ですよね」
「だったら、なに」
「な、何っていわれると困るんですが……」
私を見据える家康さんの瞳は、氷のように冷ややかだ。
「(この人ってきっと、徳川家康だよね?こんな性格だったんだ……。格好いいのに、冷たくされるとダメージ大きい………三成さんみたいにちょっとは愛想良くすればいいのに…勿体ない……)」
「家康、それで出迎えのつもりか?笑顔の一つでも見せろよ」
秀吉さんがお姉ちゃんを横抱きにして、苦笑を浮かべてそばへやってくる。
「それより家康、香菜の手当てをしてやってくれ。どうも足を怪我してるみたいだ。」
「え!?お姉ちゃん、怪我してたの!?大丈夫!?」
「あ…軽い怪我だよ。陽菜、気にしないで。秀吉さんも降ろしてもらって大丈夫です…」
「はぁ?なんで俺が弱そうな女達の手当てしないといけないんですか?めんどくさい…」
カチンっ
その言葉に私はキレた