第2章 はじまり、そして出会い
「私がするからいいです!」
「「「は?」」」
「手当てをするのが面倒な人に、嫌々手当てされたら、治るものも治らないんで。」
「なっ!?」
「「ぶふっ!!」」
家康さんは顔をしかめて、秀吉さんと政宗さんは笑いを堪えようとしてる。
「手当てする道具さえ貸して頂いたら、私がします。怪我の手当ては慣れているんで!」
「…………………」
「三成さん!どこか空いてるお部屋貸してください!お姉ちゃんの手当てしたいんで!」
「……あ、はい。ご案内します。」
「お姉ちゃん、行こう!政宗さん、秀吉さん。ここまで連れて来て頂いてありがとうございました。では失礼します!!」
「ちょっと陽菜、言い方…」
「「あ?…あぁ」」
怒りながらもお礼を言われたことに驚いた政宗と秀吉
「…………………」
家康は、いつも以上に仏頂面になっていた。
姉妹が城に入って行くと、
「くく……家康に噛みつく女とか初めて見たな…くく…」
「確かに……でも家康も言い方が悪いぞ。女にはもっと優しく接しろ。あの態度はよくないぞ。人生損するからな。」
「放っといてください。」
「次から困らないよう、たまにでいいから笑って過ごせ」
「そういえば家康が笑ってるところあまりみないな。お前、普段どんな顔で笑うんだ?」
「どうでもいいでしょう、そんなこと」
「俺らで手伝ってやるぞ」
「っ………やめてください、本気で迷惑です」
「陽菜、手当てありがとう。でも、さすがにあの言い方は……失礼よ」
「う…自分でもそう思う……」
確かに可愛げもないし、初対面の人に対して、失礼な言い方だった…。
「ちゃんと謝りなよ。」
「……はい…」
戦国時代へタイムスリップした初日の出来事…
私と家康さんのお互いの印象は、あまり良いものではなかったのだが……
まさか、家康さんと離れたくないほどの恋心が芽生えていくとは
このときの私は思わなかった