第17章 近くて遠い恋《4》
「食わせてやる。口を開けろ」
指!?口!?食わっ!?
真っ赤になり、そのまま固まってしまう
目の前の信長様は、イタズラを楽しんでいる子どもみたいに笑みを浮かべてる
「(こ、これ、前に野営地で家康にも…)」
―――『はい。練習。「家康」』――
思い出して、さらに顔は赤くなるが
―――『別に……仕事だし……』――
ドク…―――
先程言われた『仕事』という言葉が瞬時に覆いつくし、顔の熱が冷めていく
「(酷いことを言われたわけじゃないのに…お姉ちゃんが気分上げてくれたのに…)」
また、落ち込みそうになる……