第17章 近くて遠い恋《4》
「にしても、姉を放っといていいのか?猿に絡まれてるぞ」
「さすがにあの場に居れる度胸は持ち合わせてないです…それに私が居てたら邪魔になるでしょう?」
お姉ちゃん達の方を見ると、何を話してるかわからないが、秀吉さんがお姉ちゃんの手をとって、お姉ちゃんは必死に頷いている。
上手く纏まったのだろうか…
「揶揄っているだけだと思ってたが、本気だったようだな」
「何がですか?」
「わからなければ、いつか秀吉に聞け」
「??はい。」
信長様は、杯のお酒をグイッと飲み干すと
「陽菜、手を出せ」
「?はい」
信長様に言われた通り、銚子を置いて両手を出すと
信長様は懐に手を入れ、何か取り出し、私の手のひらに何か置いた