第16章 近くて遠い恋《3》
陽菜のことが気になりながら、手を動かす
数分後
「できたよ~♪陽菜、可愛い~♡」
「(うん!いつも下ろしてるけど、顔も小さいし項が綺麗な陽菜にはアップやまとめ髪も似合うな~♡)」
髪を二つに分け、それぞれ緩く三編みをし、その二つを後ろで交差させ毛先を耳後ろ辺りでピンで固定し纏めあげた。
「…さすが、お姉ちゃん…手先が器用だね…」
自分じゃできない…と陽菜は言う
「これくらいなら陽菜でも簡単に出来るよ♪今度教えるから!ほら、着物に着替えて!」
いつも明るめの着物を着てる陽菜に、いつもとは違うのを着させる。
着物の色と髪型を変えたからか、陽菜も少し微笑んでいた。
「じゃあ、宴に行こっか。」
部屋を出て、一緒に広間に向かってると
「お姉ちゃん…ありがとう」
お礼を言われ陽菜の方を見ると、部屋に入ったときの落ち込んだ顔でなく、笑顔だった。
その笑顔は普段のような笑顔ではなかったけど、それでも笑顔になったことに安心し、私も優しく笑い返した