第16章 近くて遠い恋《3》
「あ、じゃあ宴に出てもいいの?」
「宴?」
「うん。今日戦に勝利した祝いの宴があるってお昼に政宗から聞いて、家康から大丈夫だっていう許可がないと宴に出ちゃ駄目って…」
「…あぁ…」
「もう本当に熱もないし怠くないし元気になったから…宴に出てもいい?」
もう一度家康に聞く。
「…無理しないなら出てもいいよ」
「ほんと!?」
「大人なんだし、それぐらいの自己管理はできるでしょ…」
「うん!気をつける!」
「じゃあ、宴までまだ時間あるし、ゆっくり休んでなよ。」
家康が立ちあがり部屋から出ていこうとしたので、はたと思い出す。
「あ!家康!」
「なに?」
「あの…負傷者達の手当て…寝込んでたから、出来なくてごめんなさい…それと、看病してくれて、ありがとう…」
お礼と謝罪を言うと
「別に……仕事だし……」