第16章 近くて遠い恋《3》
「あ。起きた?」
声が聞こえた方を見ると、家康が読んでいた書物を閉じ、こちらを見ていた。
…………………
ガバっ!!
「な、なんで、家康が?」
ここにいるの!?
「陽菜の様子見に来た。政宗さんや香菜がだいぶ良くなった。って言ってたけど…どう?」
そう言いながら額に手をあてられ熱を測られる
「っ///(な、なんか恥ずかしい!)」
昨日もされたが、熱があり怠くて少し朦朧としてたから、この行動に対して特に意識しなかったが、現代だと体温計があるため、この行動は小さい頃に親にされたぐらい。
それを好きな人にされてると思うと、顔は赤くなり、少しばかり熱も上がる。
「……なんかだんだん熱くなってきたし、顔も赤いけど…もしかしてまだ熱あるんじゃない…」
「な、にゃい!!」
う!噛んじゃった!
「起きたら家康が居て、急に手あてられて驚いただけだから!!熱はないよ!!」
「(落ち着け!体温計のない時代にはこの方法しかないんだから!)」
家康は目を見開いてポカンとした顔をしたが
「まぁ、それだけ元気にしてたらもう大丈夫でしょ」
呆れた様子で言ったが、声に少し安堵が混じっていた