第15章 近くて遠い恋《2》家康side
天主を出て、戦で負傷した兵達が休んでる部屋に向かっていた。
「(褒美……そういえば秀吉さんにも言われたな……)」
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『ったく…戦から帰ったら何か褒美でもしろよ。あいつのことだ、かなり頑張ってくるだろうし。』
『…一応、頭の隅にでもいれときます。』
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あのとき、褒美をあげること少し考えてたな…
って………………
………………何あげればいいんだ………?
時間がある時にでも城下で何か探すか……
と考えるのをやめた。
救護部屋に入り負傷者達の様子を見ながら、陽菜を探した。
陽菜の性格上、負傷者達が心配だからとここにいると思ったが居なかった。
残念に思いながらも手当てを終え、部屋に戻ろうと廊下に出ると、秀吉さんが慌てた様子でこちらに向かってきた。