第15章 近くて遠い恋《2》家康side
安土に着いて俺と政宗さんと三成は、信長様に今回の戦の報告をしていた。
「上杉と武田は姿を見せなかったか」
「はい。今回は様子見だったのだと思います。しかし、当分は上杉武田と争いはないと思いますが、そう遠くないうちに戦うことになるやもしれません。」
「あいつらとの戦いはどのみち避けて通れんが三成の言う通り、当分はないだろうな。まぁ、良い。次は俺が直々に相手をしてやる。ご苦労だったな。」
「「「はっ」」」
三人が天主を出ようとすると
「家康、貴様は残れ」
「…は?」
「陽菜の報告がまだだ。政宗、三成はもうよい。」
「「失礼致します。」」
二人は退室し、家康は信長の前まで戻った
「して陽菜の働きはどうであった?」
「俺は前線に出ていたので見ていませんが、責任者の話では、かなり動きが良かったみたいです。
手当ての手際も良いし、重傷者の状態を見ても物怖じせず治療にあたっていたと…。
初日は指示をもらっていましたが、翌日にはある程度の傷なら陽菜に任せていたようです。
救護兵達の初陣時より、良い動きだったそうですよ。」
「ほぅ…家康、かなり仕込んだな」
「あんたが命じたんでしょうが…」
「陽菜に何か褒美でもするか。」
「…はぁ…知りませんよ…」
「まぁ、何か考えておく。貴様も下がれ。明日は宴だ」
「…承知しました」
――――パタン…