第14章 近くて遠い恋《1》
「お姉ちゃんは宴に出るの?」
「うん…戦に出てないって言ったんだけど、私も幸運を運ぶ女だから出ろ。って言われて…」
「そうなんだ…」
「しんどかったら無理して出なくてもいいと思うよ。政宗の言う通り、元気になって家康さんの許可が出たら陽菜も参加したら?」
「そうする」
「じゃあ、薬飲んでゆっくり休んで。私、針子部屋に戻るね」
「うん。おやすみなさい」
「おやすみ」
―――パタン…
薬を飲んで、横になる。
宴、家康も参加するよね…だったら尚更、元気にならないと…
安土に着いてから、家康が負傷者達の手当てしてるって聞いたし…私が熱出さなかったら、忙しい家康の手を煩わせることもなかったしな…
あと、私の看病もしなくて良かったことだし…
お礼と謝罪、しないとな………
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――――
―…パラ…
「……ん…」
いつの間にか寝てたみたい…
今、何時くらいだろ……
「あ。起きた?」