第14章 近くて遠い恋《1》
今回はお粥を完食できた。
「ごちそうさま。政宗、美味しかったよ。ありがとう」
「おぅ。しっかり食べれたな」
「顔色もだいぶ良くなってるしな」
秀吉さんが安心した表情で頭を撫でてくれ、お姉ちゃんも横でうんうん。と頷いている
「うん。よく眠れたし、家康の薬が効いたおかげだよ」
だいぶ苦かったけど……
「それは良かった。でもあまり無理はするなよ」
「陽菜、今日の夕刻までには元気になってろよ。宴があるからな」
「宴?」
政宗がそう言うけど、何の宴だろ。
「戦に勝利した奴等の労いの宴だ。お前も出陣しただろ」
「陽菜はまだ完全に治ったわけじゃないぞ。宴の参加は無理だろ」
「信長様が明日から視察で当分安土を離れるんだろ。だから今日するんだろうが」
「でもな…」
「あんまり長居しなかったら良いんじゃないの
か。家康が許可したら大丈夫だろ」
「家康が許可すると思うか?」
「元気になったら止める理由ないだろ。陽菜、ちゃんと元気になってろよ」
「へ?あ、うん?」
「じゃあ、俺は宴の料理の仕込みでもしてくるわ」
「はぁ…俺も仕事があるからそろそろ行く。陽菜、宴はともかくゆっくり休めよ」
政宗と秀吉さんは部屋を出ていった