第14章 近くて遠い恋《1》
戦から帰ってきた翌日
陽菜は寝込んでいた。
―――スー…
襖が開いてそちらを見る
「陽菜、大丈夫?」
「お姉ちゃん…うん…」
「政宗がお粥作ってくれたけど食べれそう?」
「うん…薬も飲まないといけないし、少しだけでも食べる…」
戦場での救護。
自分が思っているよりなかなかハードで正直疲れは感じていた。家康達に夜は休めと言われ休んではいたのだが…やっぱり安土に着くまで気が張っていたため、そこまでの疲労感は感じず、安土に着いた瞬間に気が抜けてしまい、その夜から体調を崩してしまった。
「咳はないし、ただ熱があるだけなんだけど…かなり体が怠い…」
「そっか…。秀吉さんも世話役の仕事はいいから、ゆっくり休めって言ってたよ」
「それじゃ、お姉ちゃんに負担かかっちゃう…」
「私も針子仕事優先にしろって言われたんだ。戦から帰ってきた人達の羽織のほつれや破れを直すから、量が尋常じゃなくて…」
「そうなんだ…じゃあなおさら早く治さないと…」
「救護で疲れてるんだし、休めるときに休んでないと、治るのも遅くなるから、今はしっかり休んで。私はそろそろ針子部屋に戻るから、お粥食べたら寝とくのよ」
「うん。わかった」
――パタン
お姉ちゃんが出ていったあと、お粥を食べた。
政宗が作ったお粥はやさしい味がして、とても美味しかったが、半分くらいしか食べれず、薬を飲んで私は眠りについた