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イケメン戦国『あなたに夢中』

第107章 恋した記憶、愛した事実《28》混合side


「陽菜っ!!!!」

「…っ!?…ぁ……ひ、で、よし…さ……?」


秀吉に大声で名前を呼ばれ、ビクリと身体が跳ね、それと同時に抵抗していた手の動きも止まる。
恐る恐る顔を上げると、眉間に皺を寄せて、心配した表情の秀吉と目が合い、確認するかのように、たどたどしく秀吉の名前をこぼす。


「そうだ。俺だ。」


陽菜に名前を呼ばれ、心配の表情から、優しく微笑んだ秀吉。
その秀吉の表情に、陽菜は安堵で、瞳に涙がじわじわ溜まりだす。



「…あ、うっ……て、手がっ……こわっ……こわかっ……」

「そうか……怖かったな……大丈夫だからな…」

「……ぁ…あ、っく……あ…ぁ………」


前日の襲われたときの光景が、夢の中にまで鮮明に流れ、あまりの恐怖で飛び起きた陽菜。
家康のときと同様、家臣の手が鬼原の手と重なって見え、またしても拒絶反応が出てしまったのだ……

両手で顔を覆い、秀吉の胸に額をつけて、声を殺しながら泣き出した陽菜。
震える陽菜を秀吉は抱きしめ、少しでも落ち着くようにポンポンと背中をあやす秀吉の手に、ボロボロと涙がこぼれていく。


その後、少し落ち着きを取り戻した陽菜に、秀吉は家臣にお茶の用意をさせ、秀吉がてきぱきとお茶を淹れる。
そして陽菜と半刻ほど話をし、陽菜が眠りにつくまで、秀吉は陽菜のそばを離れなかった。


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