第107章 恋した記憶、愛した事実《28》混合side
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鬼原を捕縛した翌日の夜中……………
「いやぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」
静寂に包まれた安土城に、突如、陽菜の叫び声が響いた。
近くを見回りしていた家臣が、急いで陽菜の部屋まで向かう。
「陽菜様っ!失礼しますっ!!どうされまし……っ」
「っ!?いやっ!!やだっ!!!来ないでぇぇっっ!!!!!」
陽菜の部屋に着き、失礼を承知で家臣は襖を開けると、何かに怯える様子で、自身の身体をギュッと抱きしめ、顔は恐怖で強張っている陽菜の姿が……
その陽菜の様子に、心配になった家臣は部屋に入り陽菜に近づくが、陽菜の瞳は恐怖で大きく見開き、抵抗するように手を大きく動かして、暴れはじめた。
「どうしたっっ!?」
「ひ、秀吉様っ!!陽菜様がっ!!」
陽菜のただならぬ状況に、家臣はどうしようもできず、オロオロしていると、すぐに秀吉が駆けつけてきた。
「いやっ!!!やめてっ!!」
「陽菜!!!落ち着けっ!!俺だっ!!!」
「いやっ!!やだぁぁっ!!!」
秀吉はすぐに部屋に入り、暴れる陽菜に気にせず近づき、陽菜の肩を掴む。
それでも陽菜は、抵抗するように、尚も手を動かす。