第106章 恋した記憶、愛した事実《27》
鬼原の部屋の前で、ニヤニヤしながら襖に手をつき、耳を当てて中の様子を伺う従者数人。
「おいっ!鬼原様、今までで一番興奮してるぞ!」
「あぁ…あいつらまで混じりやがって……あの女、よっぽど上物なんだな。あー…見張りじゃなくて中で楽しみたかったぜ!」
「まぁ、鬼原様が楽しんだ後、じっくり味わおうぜ。」
下品に笑いながら話す見張りの従者たちは、このあと陽菜の体をどうやって楽しむかを、興奮気味に話す。
「……にしても、明智と徳川が来たときは焦ったぜ…あいつら、隅々まで探しやがるからな…」
「まぁ、来たのは焦ったが、あれだけ念入りに探してる間に、俺たちの部屋から、あの女を移動することが出来たんだしよ。」
「それに、あれだけ探して見つからなかったんだ。あの女が居たっていう痕跡もないんだし、もう、こっちに来ることはないだろう。」
「確かに。これで俺たちも存分に出来るぜ。」
「あぁ…たっぷりと可愛がってやろ……………ひっ!!?」
それまで下品に笑いながら会話していた従者の1人が突然、小さく悲鳴をあげ、顔から血の気が引いていき、ガタガタと震えながら、廊下の先を指さす。
「あ?」
「どうし……!!?」
その行動に怪訝な表情をした二人の従者は、指さす先を見るために、顔を振り返る。
だが、振り返った彼らの顔も、同じように顔から血の気が引き、ガタガタと震えはじめる。
彼らの視線の先には
殺気を纏った、信長たちの姿が…………