第106章 恋した記憶、愛した事実《27》
「俺が鬼原の不正を知ったのは、ある男からの情報だ。ある村で若い娘の姿を全くみない……そういう噂がたっていると……」
「それは……誘拐や監禁されているということですか?」
「「なにっ!!?」」
三成の言葉に、秀吉と政宗が声を荒げ、光秀がコクリと頷く。
「あぁ、三成の言うとおり、領民たちの嫁や娘たちが人質にとられ、鬼原の屋敷に監禁されていた。自分たちの嫁や娘が人質にされているから、領民たちは鬼原の言いなり状態。だから、俺たちの耳にも入ってこなかったわけだ。」
「あいつ…!どこまで下衆い野郎だ!!」
「ちょっと待て!若い嫁や娘ばかり人質って……あいつ…もしかして!?」
「……あぁ…『他人のもの』に手を出すことが快感らしいからな。逆らった者には、その者の嫁か娘が問答無用で犯される。」
「「「っ!!!?」」」
「……………」
光秀の最後の言葉に、秀吉と政宗と三成は、瞬時に陽菜が危険であることを察知し息を飲む。
家康は何も声は出さず、ただただ陽菜のことを思い、手をギュッと強く握りこんだ。
「…………そろそろだな……」
鬼原の部屋へと向かうため、最後の角が見えたとき、信長がポツリとこぼす。
その声を聞いて、全員の顔がより一層険しくなった………