第106章 恋した記憶、愛した事実《27》
「政宗!?三成!?お前たち城下の捜索はどうしたっ!?」
「城下は家臣たちに任せてきた。元々、城下にいる可能性は低いって話だっただろ。城の周辺を探したが、何の気配もなかったから、あとは家臣たちに任せて戻ってきた。」
「私も政宗様と同じです。もしかしたらと思って、秀吉様の御殿へ向かい探しましたが、陽菜様の姿はありませんでしたので、戻ってまいりました。」
「で?陽菜は見つかったのか?」
政宗と三成が経緯を話すと、陽菜の安否を尋ねた政宗の目が鋭くなる。
「いや、まだ見つかってない。だが、鬼原の部屋周辺を探せば見つかるはずだ。」
「鬼原の部屋周辺って………そこは光秀と家康が探したんじゃないのか?」
「探したが陽菜の姿はどこにもなかった。さっき、信長様と秀吉にも話したが、鬼原が陽菜のことを拐ったのは間違いない。」
「なら、今から鬼原たちの部屋に行けば……」
「あぁ……必ず陽菜はいるだろう。行くぞ。」
「「「「「はっ!」」」」」
信長の声で、武将たちは力強く返事をし、鬼原の部屋へ向かおうとしたとき………
「光秀様」
政宗と三成がやって来た廊下と同じところから、光秀の家臣が急いでやってきた。