第106章 恋した記憶、愛した事実《27》
一方、家康たちは…………
「何?鬼原たちの部屋にも居なかっただと?」
武将たちの部屋を探し終えた信長と秀吉に、陽菜が居なかったことを光秀は話していた。
「はい。鬼原だけでなく、従者の部屋も探しましたが、陽菜の姿はどこにも…。ですが、鬼原や従者たちの反応を見ていると、陽菜を拐ったのは鬼原たちで間違いないかと。陽菜のものかと思われる髪の毛が、従者の部屋に落ちていましたし。」
そう言って光秀は、先ほど家康にも見せた髪の毛を、信長と秀吉にも見せる。
「でも、その髪の毛が陽菜のものかはわからないだろ…それに、鬼原たちがやったなら、陽菜は一体どこに………」
「家康にも話したが、従者たちの部屋に隠していのを、俺たちが来たことに慌て、どこか別の場所に移動させたというのが俺の考えだ。となると、陽菜は城内にいる可能性が高い。まぁ、城下へ連れ去られた可能性も捨てきれないが、限りなく低いだろう……」
「なら、もう一度城内を徹底的に探せば、陽菜は見つかるだろう。それも、鬼原たちがいる部屋の周辺にな………」
信長の言葉に、家康たちが頷いたとき………
「おいっ!!陽菜は見つかったか!!?」
廊下の向こうから、政宗と三成が走ってきた。