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イケメン戦国『あなたに夢中』

第105章 恋した記憶、愛した事実《26》家康side


「……荒らされた形跡はないな。」


すぐに彼女の部屋へと着き、襖を開いた信長様。
彼女の部屋は、前に火傷の手当てで入ったときと変わらず、綺麗に整頓されていて、何か問題があったとは思えないほど。


「俺と入れ替わりに女中が持ってきたお茶も、飲み干してお盆の上に置いてあるし、着替えを入れた風呂敷も、お盆の近くに綺麗に置いてある……。一体どこに……」


秀吉さんが部屋まで送ったときのことを思いだし、悲痛な面持ちで、拳をきつく握りしめる。
秀吉さんの横で、腕を組んで片手を顎にあてて、考えこんでいた光秀さんが、考えを纏めるように、口を開いていく。


「……秀吉のことだ。陽菜を送り届けたあと、すぐ御殿まで送るように家臣に伝えたはず。それを頼まれた家臣も、すぐに陽菜の部屋へと向かうだろうが……」

「は、はい!!もちろん秀吉様に言われ、すぐに陽菜様の部屋へ行きました!何度も声をおかけしたのですが返事がなく、もしかして眠られてるのかと思い、失礼を承知で襖を開けたのですが、陽菜様の姿はなく………」

「それで家臣と女中たちで探したのか?」

「はい……。厠かもしれないですし、少し部屋の前で待っていたのですが、いつまで経っても陽菜様が戻ってこないので……動ける家臣と女中たちで城中を探しましたがどこにも……」

「………ということは、女中がお茶を運び終え、家臣の方が迎えに来るまでのほんの僅かの間に、陽菜様の身に何かあったということですね………」


三成が全員の話を纏めたとき、今まで彼女を探していたのか、数人の家臣と女中たちが、彼女の部屋へと集まってきた。

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