第104章 恋した記憶、愛した事実《25》
「(どうしよう……)」
信長様から、大名の方が帰るまでは一人になるな。ってきつく言われてるし……
こういうことなら、秀吉さんや三成くんが言いに来そうだけど………
大名の方の相手をしていて、離れられないのかもしれないし……
「(………急ぎって言ってたし、行った方がいいよね…)」
どうしようか悩むけど、呼ばれてるなら行かないと……
広間に一度戻るために、襖を開けようと、襖に手を伸ばして開けようとしたとき――…………
『陽菜が目的なら、なんとかして陽菜に近づこうとして、あわよくば……なんてことを考えているでしょうね。』
『あの男なら、そういう下心しか頭にないだろうな。なるべく陽菜はあの男に近づかず、奴が帰るまでは決して1人になるな。』
……ぞわ…………
天主で言われた信長様と光秀さんの言葉に、背筋が冷え、身震いする……
「(……だ、大丈夫!いざとなったら、叫べば誰か気づくはず…!)」
お城には、たくさんの家臣さんと女中さんがいるし!
広間までは二回角を曲がったら着くんだし!
広間に着いたら、信長様たちもいるから大丈夫!
そう意気込んで、襖に手をかけて、廊下に出た。