第104章 恋した記憶、愛した事実《25》
「真っ赤になったり、落ち込んだりと忙しい顔だな。」
「っ!!?」
頭上から聞こえた光秀さんの声に、光秀さんが居たことをすっかり忘れて、家康との口づけを思い出していたことに、恥ずかしくて顔が熱くなる。
「おや、かなり赤くなったな……何かやましいことでも考えているのか?」
「っ!!?な、なななななにも!!やましいことなんてっ!!///」
「吃っているぞ。そうか。やましいことを考えていたのか………ククク…」
「~~~~!!///」
光秀さんのニヤニヤした顔に、誘導尋問に見事にはまってしまい、もう口をパクパクとさせるしか出来ない。
「~~~~光秀さん!!意地悪しないでください!!///」
「何を言っている。お前がしっかり意識を持っていれば、こんな風に俺に捕まることもなかったのだからな。むしろ、意識を戻した俺に感謝してほしいほどだ。」
「うぅぅ~~………」
確かに、しっかりしてなかった私が悪いけど……だからって、ここまで揶揄わなくても………
何も言えず、項垂れてると
ポンっ
「それぐらい元気な方がお前らしい。」
頭を優しく撫でながら、光秀さんの落ち着いた声が耳に届く。
「……光秀さん…」
「まあ、あまり無理はするな。無理すれば、また秀吉が騒ぐ。」
「………はい……気を付けます。」
また、前みたいに迷惑をかけないように、光秀さんの心配する言葉を、しっかりと受け止めた。