第103章 恋した記憶、愛した事実《24》混合目線

「そんなに陽菜と俺が一緒にいるのが嫌か？」

「………」


嫌か？と聞かれれば嫌なのだが、なぜそう思うのかは、わからない。
自分自身でも、釈然としていない……。だから、政宗さんの言葉に返事が出来ず、俺は政宗さんから視線を外した。

すると、すぐに政宗さんのため息が聞こえ、視線をもう一度政宗さんに戻す。



「お前………難儀な奴だな。」

「は？」



視線を戻したら、政宗さんの呆れた顔が、ジトーっと俺を見ている。
ついさっきの、真剣な雰囲気とは一転して、かなり呆れた様子。


「………なにがですか…」


流石に、こうも雰囲気が変わると、どう対処していいものか悩む。

政宗さんがまた、はぁ…とため息を吐き、すぐさま口を開く。



「もう答えは出てんだよ。」


「答え…？一体何のこと言っ……」


政宗さんの言った意味がよくわからず聞き返そうとしたら、肩をポン。と叩き、耳元に顔を近づいてきて……



「ま、早くいろいろ思い出せよ。お前が思い出すのと、俺が陽菜を落とすのと。どっちが先か勝負だな。」

「なっ……！！」

「じゃあな。ぷりんはお前のとこ置いとくぞ。」


言いたいことだけ言って、片手をひらひらと振り、政宗さんは広間へと歩いていく。



「………答えとか……全く意味わかんないんですけど……」


そうポツリとこぼし、政宗さんの言った答えの意味を考える。
だが、政宗さんのおかげで、酔いが醒めたとはいっても、まだまだ完全に醒めたわけじゃない。

もう少しだけ、酔いを醒ましてから、考えることにした。