第103章 恋した記憶、愛した事実《24》混合目線
「(それで、そのあとすぐに秀吉さんと三成が来て……)」
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お前の快気祝いと秀和の出産祝いだ!って言われながら秀吉さんに勢いよく酌されて……
飲みながら、ちらりと秀吉さんの腕に抱かれている赤子を見る。
安心しきった顔で、すやすやと秀吉さんの腕で眠っている。
「(……子供……本当にいたんだ……)」
秀吉さんとは長い付き合いなのに、こんな大事なことまで忘れてしまっている自分に嫌気がして、顔を逸らし、ふと上座に目を向けると、信長様と自身の姉と、楽しそうに話しているあの娘の姿が。
「(………また…俺の知らない顔……)」
俺には向けられない顔を、信長様たちに見せて、そして信長様たちが見れるのが、なんだか羨ましくて………
上座から目を離せずにいると、ふいに信長様と目が合った。
その目が、俺の思っていることを覗こうとしているみたいで、俺は自分から目を逸らした……。
「(………飲みすぎたな…)」
秀吉さんと家臣たちにかなり酌をされ(三成も酌をしようとしてきたが全力で拒否して)、明らかに普段以上の酒量をあび、身体が熱くなったのを感じて、広間から出て酔い醒ましのために、夜風に当たっていた。
「(………もう少ししたら戻るか…)」
幾分マシにはなったが、まだまだ身体は熱い。
もう少し夜風に当たって、身体の熱を下げようと、近くにあった廊下の柱に凭れていると
「っっ!!!?」
右頬になにか冷たいものを当てられ、瞬時に右側を見る。