第102章 恋した記憶、愛した事実《23》
「本当ですね。秀吉さん、しっかりあやしてる。」
「根っからの世話やき体質が、子育てに活かされているな。」
「普段も、あんな感じで子育てしてますよ。この前なんかも……」
お姉ちゃんが、秀吉さんの子育てについて話してくれるのを、信長様と二人で聞く。
それから話は、秀吉さんの子育ての話から、来世の話など、三人で他愛ない話で盛り上がっていると……
「香菜!!」
泣いてる秀和くんを抱っこしながら、慌てて上座へとやってきた秀吉さん。
「秀吉さん、どうし……あ、もしかして、お腹空いちゃったのかな?」
「そうみたいだ……。もう抱っこでも泣き止まなくなってな……」
すまない……。と、申し訳なさそうに項垂れる秀吉さんに、お姉ちゃんは、長時間面倒を見てくれてありがとうと感謝の気持ちを伝えて、秀吉さんの腕から秀和くんを抱き上げる。
「信長様、すみません。少し失礼しますね……」
「気にするな。こればっかりは、秀吉にも出来んからな。」
信長様の返事を聞いて、お姉ちゃんと秀吉さんが、頭を下げて二人は広間から出ていった。
二人が出ていくのと入れ違いに、政宗が入ってきて、私たちが作ったプリンを乗せたお盆を手にしていて、それを見て、ハッとする。
「信長様!ちょっと失礼しますね!」
信長様に断りを入れ、上座から降りて、急いで政宗に近付く。