第102章 恋した記憶、愛した事実《23》
「へ?餌付け?」
「政宗から渡されてるのを、何でも食べているだろう。まるで食べ物に釣られる童みたいだぞ。」
「わっ!?童!?」
いつもは小娘呼ばわりされて、揶揄われるけど、まさか童呼ばわりされると思わなかった!
頬を膨らませて、ブスッとした顔で光秀さんを見る……というか睨む。
「そういう顔していると、ますます童に見えるぞ。」
「んなっ!?」
「確かに童だな。」
「ちょっ!?政宗!!」
政宗からも童呼ばわりされて、光秀さんから政宗へと睨みつける
「そう睨むな。お前が旨そうに食うから、ついつい与えたくなるんだよな。まぁ、作り手としては旨そうに食ってくれるのは有難いことだ。お前も気持ちはわかるだろ?」
「そりゃ、わかるけど……というか私は、童呼ばわりされてるのが嫌なんだけど…」
またまたブスッとした顔になり、口を尖らせていると、両隣からクスクス笑い声が聞こえる。
「ククク……そう拗ねるな、陽菜。まぁ、拗ねてる顔も可愛らしいぞ。」
「確かにな。その顔、そそられるぞ。」
「…………光秀さんも政宗も……そんなこと、これっぽっちも思っていないでしょ…」
「おや?心外だな。本心を言ったまでだが?」
「俺も冗談じゃねーぞ?」
二人とも、ものすごくニヤニヤした顔で喋っているから、全く説得力がない。
この二人の揶揄いに、勝てるはずもないから、はぁー…とため息を吐いて、杯に入ったお酒をチビチビと飲みだした。