第101章 恋した記憶、愛した事実《22》
「不安なこととか、しんどくなったときは、気にせず、いつでも来ていいから。一人で抱え込んでると余計につらいでしょ?」
「…………」
確かに、つらいと思う気持ちが、日に日に強くなってきてる……。
家康が目覚めてからの日々を思い出すと、胸が痛くなって、顔を俯ける。
すると、お姉ちゃんに優しくポンと頭を撫でられる。
「別に、無理に話そうとしなくていいからね。」
「……お姉ちゃん…」
その言葉に、俯けていた顔をゆっくりあげる。
「陽菜が話したくなったときに、話したいことだけ、話しにきてくれたらいいから。」
私の気持ちも汲んで、優しい言葉をかけて、優しく微笑んでくれたお姉ちゃん。
本当に私のことを想ってくれてるのが、すごく伝わって、思わず涙が出そうになった。
「……うん…ありがとう。お姉ちゃん…」
「どういたしまして。もちろん、他愛ない話をしにくるだけでも大歓迎よ。普段の皆の行動とかね♪」
「……うん!あ、この前、三成くんがね………」
「ふふ…。三成くん、相変わらずね。期待を裏切らないというか…」
その後も、お姉ちゃんと他愛ない話をした。
お姉ちゃんが、無理に聞き出そうとはしないで、でも、私のことを心配して気にかけてくれるのを感じて……
久しぶりにお姉ちゃんと話せて、少しだけ、辛かった気持ちが薄らいだ。