第101章 恋した記憶、愛した事実《22》
翌日、私はお姉ちゃんに会いに、秀吉さんの御殿にお邪魔していた。
「美味し~~~~♡陽菜、ありがと~♡」
「えへへ。どういたしまして♪」
昨日、お土産に作ったプリンは、無事に成功していた。プリンをひと口食べると、片頬に手をあてて、お姉ちゃんはうっとりした表情を浮かべる。
「プリン食べるの、すっごく久しぶり!政宗が作った甘味も美味しいんだけど、たまにはこういうの、無性に食べたくなるんだよね~。」
「わかる!たまに現代のスイーツとかが恋しくなるよね!」
秀和くんが眠っている間に、お姉ちゃんと一緒にプリンを平らげる。
「ごちそうさま。美味しかったよ!ありがとう。」
「ううん。また今度、作ることになってるんだ♪家康とお姉ちゃんの宴のときに。」
「そうなの?また食べれるなんて、嬉しい♡ありがとう。」
そう言って、お姉ちゃんが、ふんわりと笑ったと同時に、ふぎゃふぎゃ……と秀和くんが、少しグズりはじめる。
お姉ちゃんが、ポンポンとあやそうとしたときには、ふぎゃぁーーー!!と大きな声で泣きだした。
「あらら。起きちゃった。はいはい、おっぱいかなー?」
抱っこして授乳させると、お腹が空いてたのか、小さい口で、一生懸命おっぱいを飲んでいる。
その姿は赤ちゃん特有の姿で可愛らしいが、お姉ちゃんは、ふぅ…と小さく息を吐いて、少しお疲れの様子。