• テキストサイズ

イケメン戦国『あなたに夢中』

第100章 恋した記憶、愛した事実《21》家康side


前から、秀吉さんと三成が話ながら歩いてきていた。

二人も俺の存在に気づき、秀吉さんは片手をあげて「よぉ」と声をかけてきて、三成は苛立つぐらいの満面の笑みを浮かべている。


「家康どうした?今日は軍議はないだろ?」

「……光秀さんに頼まれてた薬を作って、渡しに来ただけです。」

「光秀に頼まれた薬だぁ?またあいつは勝手なことしてんじゃないだろうな」


毎度の光秀さんの勝手な行動に、ぶつぶつと文句を言う秀吉さん。


「さぁ?諜報の際に使うって言ってましたけど。」

「全く……後で問いただすか…」


ならば、その場に居合わせないように、光秀さんに渡したら、早急に御殿に帰るか。
そう思い、「それじゃ…」と言おうとしたとき



「あ、家康様。」



なぜか、三成に呼びかけられた。
無視しようと思ったが、秀吉さんも居るし、やいやい言われそうだから、不機嫌になりながらも「何?」と一応答える。


「先程、陽菜様と秀吉様と三人で、廊下の後片付けをしていたのですが、どうやら陽菜様、眩暈が起きたそうなんです……。何かお薬を処方していただけないでしょうか?」

「は?眩暈?」

「あぁ、陽菜の奴、掃除したあとに眩暈が起きて、廊下に桶を倒して水浸しにしちまったんだ。そのとき、顔色が良くなくてな……。ここ連日、朝から晩まで働きづめだったから、それでだと思うが…一度診てやってくれないか?」


秀吉さんと三成の心配そうな顔が、俺をじーっと見てくる。

/ 663ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp