第100章 恋した記憶、愛した事実《21》家康side
そして、翌日から光秀さんの『あの手この手』が炸裂しだした…………。
なぜか廊下にまきびしが、大量にばらまかれていて……
それを回避するために、仕方なく違う廊下から行こうと、体を後ろに方向転換した瞬間に、どこからか矢が飛んできて、斬り落としたり……
あるときは、登城したときに、上から玉を投げられてきて……
それを避けようと、身体を横によけたら、違うところからも玉が飛んできて、それをよけた瞬間……上から落ちてきた玉が俺の頭に当たって割れた衝撃で、中から大量の唐辛子が舞い上がって、唐辛子まみれになるし……
またあるときは、竹で出来た『水鉄砲』なる精巧な玩具で、背後を狙われびしょ濡れにされるし……
他にも、落し穴や縄網など……至るところに、光秀さんの『あの手この手』の悪戯が仕込まれていた。
おかげでこの一週間は、登城するのも、廊下を歩くのも、何をするにも細心の注意を払っていたから、かなり心身共に疲れた……。
そして今は、その悪戯を繰り出した張本人、光秀さんの部屋に向かっているところ……
「(……部屋に着くまで、何も起きなきゃいいけど……)」
光秀さんの部屋まで、慎重になって歩いていると……