第98章 恋した記憶、愛した事実《19》
「このまま暫く水に浸けとけ。あとで手当てしてやる。」
「だ、大丈夫だよ!触れたのは一瞬だし、冷やしてたら大丈夫だから!」
「あのなー……女なんだから、火傷の痕とか残ってるの嫌だろ。お前ほど手際はよくねーが、それぐらいならできるから気にするな」
「う、うん……」
「冷してる間、ここ片付けといてやるよ。」
そう言って政宗は、鍋に近づいて、鍋からプリンを一つずつ取り出していた。
幸い、大した高さから落としてないから、器は割れてないみたいだけど、中身は少し飛び散っているみたい。
カチャカチャ……と、小さい音を立てながら、政宗が片付けていくのを、ボーっとしながら見る。
「(………今日は皆に迷惑かけちゃってるな……)」
さっきは廊下で、秀吉さんと三成くんに、そして今は政宗に迷惑をかけてしまった。
「(……何やってるんだろ…)」
自分からやりだしたことを、きちんと出来ず、人に迷惑をかけてしまって、申し訳なさすぎて、はぁー……と重いため息を吐く。
すると
コツン…
政宗に、後頭部を軽く小突かれた。