第10章 動き始めた恋心〈8〉
そんなの……
「重症の人達を診に行くって言ってたから……家康がどう考えて判断するのか、側にいたら勉強になるかと思って……」
勉強したい気持ちは本当に思っている
でも、勉強でもいいから一緒に居たいのが一番の本音
「昨日いつか見せるって言ってたから、今見せてもらおうと思って……普段だったら、そんなに治療とかする機会があまりないと思うし………」
「…………」
家康ずっと黙ったままだけど、迷惑だったかな…
「あ…迷惑だったら、今回はやめとく…」
「別に迷惑とか言ってないから…陽菜の好きにすれば」
そう言って家康は歩いていき
「うん!ありがとう!」
私も後を追った。
家康の治療を見て、改めて家康のすごさを実感した。
手当ても手際良いし、人それぞれの症状にあった薬を使い分けてるし…
すごい人に教えてもらっていたんだな…
手当てを終え、救護兵達にいろいろ指示を出した家康
「で。見てて勉強になったの?」
「も、もちろん!的確だし手際よすぎて驚いて…」
「陽菜も手際良いでしょ。政宗さんも誉めてたし」
「家康に比べたらいろいろとまだまだだよ……」
まぁ、歴が違うから当たり前なんだけど……
落ち込むつもりではないが、なんとなく顔を俯かせてしまった