第10章 動き始めた恋心〈8〉
「(早い!!)」
先程から小走りで家康を追いかけてるのだが、かなりの早歩きで追いかけるのに陽菜は必死だった。
「家康!待っ…わっ……!!」
小走りで足が縺れ転けそうになったところを
グイっ
トスン――
家康が腕をひっぱり、その反動で家康の体に倒れこむかたちになった。
「あんたって意外とドジなんだね」
家康の、好きな人の腕の中にいると理解すると瞬時に脳内はパニックになり
「ああああありがとう」
お礼も吃る…
「でもドジじゃないよ!」
思わず反論
う…我ながらなんて可愛げのない……
お姉ちゃんなら
『ありがとうございます…』
って照れくさそうにお礼言うだろうな……
「いや、何もないところで転けるってドジでしかないでしょ」
「あ!あれは家康が早歩きだから追いかけるのに必死で!」
「なんで…」
「え?」
「なんで追いかけてきたの?」
え…そんなの……