• テキストサイズ

イケメン戦国『あなたに夢中』

第91章 恋した記憶、愛した事実《12》家康side


女が薬箱を持って、いそいそと俺の褥に近づいてきたとき


「なら、俺たち部屋から出とくから、終わったら声かけろよ。」

「え?」

「そうだな。手当ての邪魔しちゃ悪いしな。」

「え?秀吉さんも?」


秀吉さんは、女の頭を数回撫でると、政宗さんと一緒に部屋を出た。


二人にして、何かしらの話をしろ。ってことだろう。だけど、特に女と話すことなんてない。



とりあえず、怪しい行動をしないか見るために、女の手元を注意深く見る。


俺の褥の横に座って、怪我にあった薬、包帯などを取り出し、順番に置いていくのを見ていると



え……………?






「……なん、で……?」





左側に薬を置き、右側に包帯、手拭い、手を清める為の水が入った桶。



俺が手当てするときと、全く同じような配置で薬を置いていて、思わず目を見張る。




すると、手を清めていた女が顔をあげて、俺と目が合う。



「……っ…」

「……あ、の……何か…言い、ました……?」

「……………いや……何も……」

「…そう、ですか……」




フイっと女から顔を逸らす。



無意識に俺は言葉をこぼしていたみたいだ……。




「(……俺が教えてたみたいだから、こういうことも教えていたってことだろう……。)」



ごくごく自然に置いていたから驚いたけど、冷静に考えれば、別に驚くようなことでもない。




そう思いながら、女の方をちらりと見る。

清めた手を桶から出し、手拭いを取ろうとしていたのが見え、俺は手当てをしやすいようにと、夜着に手をかけた。



/ 663ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp