第10章 動き始めた恋心〈8〉
朝起きて、救護用の天幕へ行く途中、出陣の準備をしている政宗と三成くんに会った。
二人に、あのあと眠れたか聞かれ、ちゃんと眠れたことを伝えた。
二人は出陣の準備をしているのに、なぜ家康が居ないのだろう。
二人に聞くと
「あいつは早くに出陣した。向こうの援軍が来る前に橋を落としに行ったんだ。」
「そうなんだ…」
好きを自覚したら、今日の朝からどう接したらいいのか悩んでたけど、会えないとそれはそれで落ち込む…
「三成、俺らもそろそろ行くぞ。」
「はい。こちらも準備出来ております。」
「あ、二人とも気をつけてね!」
「おう!陽菜も救護頑張れよ。」
「すぐに終わらせますので。陽菜様、いってまいります」
「うん。」
今日は昨日に比べて、怪我人の数が少なかった。
家康が、援軍が来る前に無事に橋を落としたからかもしれない。
橋を落としたら家康はそのまま前線に向かっていったみたい。
昨日かなり敵を追いつめていたらしく、援軍も来れなくなったからか、敵側は戦闘意欲が叩き潰され
そのうえ、さらに越後への牽制で、領土を奪い、田畑も燃やしたらしい。
そこまでする必要があるのかと思ったけど、素人の私が口出ししていいものではないと思い、ただただ、伝令の方の言葉を聞いていた。