第86章 恋した記憶、愛した事実《7》
「い、家康っ?どうし……」
いきなり手を振り払われたことに驚くと
「あんた……………
……誰………?」
え…………?
「お前……何言ってんだ……?」
「……政宗さん、この女だれですか。…あんたの新しい女ですか。」
「家康っ…!私は……っ」
「見ず知らずの女に、呼び捨てされる覚えはないんだけど。」
「…っ……」
かなり冷たい目で、私を見る家康。
こんなに冷たい目を一度だけ……
向けられたことが………
……ある…
「っ……ご…ごめんな…さ、い……」
何に対しての謝罪かは自分でもわからない。
家康の顔を見るのが恐くて………
あのときみたいに
「っ!?…おいっ!陽菜っ!!」
部屋から出ていった。