第82章 恋した記憶、愛した事実《3》
「あ、あの……じゃあ………私も、付けて…いい……?」
「え…?」
「そ、その……私の代わりというか……なんていうか………///」
家康がいっぱい『印』を付けてくれたから、離れていても、家康を近くに感じれる気がして……
だから私も家康に『印』を付けたら、家康も私を感じてくれるかな。と思ったんだけど……
「(で、でも……、付けたら束縛してるって思われる…?)」
あれこれ考えながら、指をモジモジさせてると、家康の手がそっと私の手を掴んで、手の甲に口づけを落とす。
「………付けて……俺が陽菜のものだっていう……『印』」
「あ………///」
湯浴み着の袷を広げて、露になる家康の胸板。
いつ見ても、その逞しい胸板にドキドキする。そっと、家康の胸板に手をついて、胸板に唇を近づけて
ちゅぅぅぅ………
家康の胸板に私の『印』を付ける。
「………これが消える前に、戻ってくるから…」
「うん。待ってる。気を付けてね……」
チュッと軽く唇同士を重ねて、家康に抱きつく。
「陽菜こそ、俺が居ない間、面倒なことに巻き込まれないでよ。」
「うん。お城で大人しく待ってるよ!」
「…大人しく待てるの……?」
「待てるよ!!」
ぷうっと頬を膨らませて、お湯でぺしゃんこになった、家康の髪の毛を、わしゃわしゃと掻き撫でる。
「ちょっ!!何すんの!」
「ひゃっ!?どこ触ってるのよ!!///」
湯船に浸かったまま、必死に?お互いの身体にじゃれつき……
「家康……もう駄目………逆上せちゃう………」
長湯しすぎて逆上せる直前の身体。
くたりと家康に身体を預け、着替えまでしてもらい……眠るまで家康と離れることはなかった。