第82章 恋した記憶、愛した事実《3》
……ちゃぽん………
「んっ!も………付けすぎ…あっ……」
「じゃあ、ここで最後……」
家康と愛しあったあと、二人とも身体は、私と家康のでドロドロ、汗もかいたから身体を洗って、二人で並んで湯船に浸かってるんだけど………
ちゅぅぅぅ………
「あっ……!そんなに強く吸っちゃ……んんっ!!」
さっきから頚筋、胸、肩、背中、腕………至るところに紅い『印』を付けられて、最後に、頚筋に濃い『印』を付けると、そこを家康の指がなぞる。
「……これで寂しくないでしょ……?」
「あ………」
やっぱりバレてたんだ……
祝言が決まって、家康の御殿に移り住んでから、毎晩一緒に寝ているから、家康が戦や視察などで不在になると、家康が居ないことに慣れなく寂しくて、それがかなり顔に出ているらしい。
今回の視察も、祝言前だけど、家康の領地と近いところだから、土地勘のある家康が向かうことになった。
「祝言も控えているし、すぐに終わらせて帰ってくるから。……待ってて。それに……寂しいのは俺も一緒だから。」
「そうなの……?」
「当たり前でしょ。枕がないから、寝れるか心配。」
「ちょっと!私と寝てたのは枕替りなのー!?」
プイっ!と顔を横にむけると、家康のクスクス笑う声が耳に届いて
「そんなわけないでしょ。陽菜の温もりがないから……恋しくて眠れないよ。」
「えっ……///」
珍しく、家康からのストレートな物言いに、瞬時に顔に熱が集り赤くなる。