第78章 天邪鬼との愛の料理 ※R18
「……っん……はぁ………ぁ………んぅ……」
ぴちゃ……くちゅ……く、ちゅ…ん……
激しい口づけに、酸素を求めて少し口を開けたら、すぐに家康の舌が入ってきて、私の舌を捕らえる。捕らえられたら最後。思考が何も考えられなくなって、ただただ、家康との口づけに酔いしれる。
そっと、包丁と人参をまな板の上に置いて、手を家康の背中にまわす。
すると、家康の手が後頭部と腰にまわって、さらに引き寄せられて、家康との口づけがもっと深まる。
「……陽菜………」
「………ふぅっ……はぁ……ぁ……あっ………ん……」
ゆっくり家康の舌が離れていくと、すぐに頚筋に口づけが落とされ
ちゅぅぅ……
「っあ…んん……そこ、付けちゃ…」
「……髪、下ろしたら見えない……」
確かに付けられたところは、頚筋の後ろのほうで、普段は髪を下ろしてるから、パッと見は見えないけど……
それでも、恥ずかしい。
「……陽菜……」
家康の舌に、紅い印を付けたところを舐められて、ぴくりと身体が跳ねたとき……
グツグツグツグツ……!!
お鍋の音がかなり大きいことに、ハッとして、グッ!と家康の身体を押して、鍋の方まで近づくと……
「っ!!かなり沸騰してるっ!……やり直しだよー………」
グツグツと煮えている鍋を見て、ガクンと肩を落とす。
「……沸騰したら駄目なの?」
家康が私の背後に近づいて、鍋を覗きこんで、聞いてくる。
「沸騰するまで置いてたら、昆布の粘り気が出てくるし、風味も飛んじゃうの……。だからこれはやり直し……。」
「別にこのまま使っても……」
「駄目!これじゃ、政宗が納得しないよ。だからちゃんと作らないと。家康!」
「っ!……なに…。」
驚いた表情の家康に
「次こそは、ちゃんとしてね!」
口を尖らせて注意し、甘かった雰囲気を一切打ち消し、私たちは料理を再開させた。