第78章 天邪鬼との愛の料理 ※R18
「じゃあ、まずお出汁をとるところからね!お水入れて、昆布を軽く拭き取ったら、水の中に入れて、火にかけて……」
陽菜が言ったことを聞きながら、手を動かしていく。釜戸に火をつけると、すぐに陽菜から指示がくる。
「昆布が浮いてくるまで火にかけといて、その間にお野菜を切れるだけ切っといて……」
そう言って、目の前に、蓮根、牛蒡、大根などの根菜が並ぶ。
陽菜が器をいくつか用意し、器の中に水をいれる。
「なんで水入れてるの?」
「牛蒡のアク抜きとか、蓮根は酢水にさらすと変色を防げるからだよ。じゃあ、皮を剥いていこっか。大根なら大きいし、初めてでも皮が剥きやすいかな?」
陽菜は人参、俺は大根を手にとり、皮を剥いていく。手際よく、皮を剥いていく陽菜。陽菜には到底及ばないが、俺もゆっくりと皮を剥いていく。
ふと視線を感じ、陽菜の方を見ると、目があった瞬間にパッと顔を逸らされる。
「??……何?」
「な、何でもない!///」
「何でもないなら、なんで見てたの?」
「そ、それは……っ///」
恥ずかしそうに、顔を俯ける陽菜に、俺は、大根と包丁を置き、陽菜の両頬に触れ、顔を持ち上げる。頬を赤く染めた陽菜にもう一度聞くと……
「…っ……い、家康の、腕が……///」
「俺の腕が?」
「そ…その……逞しくて……男らしくて……横顔も真剣で……///」
「……真剣で?」
「~~っ…///……み、見惚れてたの…っ!///」
「っ!///」
真っ赤な顔で、嬉しいことを言う陽菜に、俺の顔も熱くなる。すぐさま、陽菜の唇に口づけを落とし、陽菜の柔らかい唇を貪る。