第78章 天邪鬼との愛の料理 ※R18
翌日、お昼すぎに俺の御殿に来た陽菜と、一緒に厨に向かい、陽菜はさっそく食材と睨めっこしながら、何を作るか考えている。
「うーん……何がいいかな…。簡単で凝ってそうな料理……」
普段は下ろしている綺麗な黒髪を、陽菜は高めの位置で結い上げると、白くて細い頚が姿を現す。
「(……相変わらず細いな…)」
身体の線が細い陽菜。手足も細くて指も細いし、腰も細い。抱きしめると折れるんじゃないかと思う。だけど、お尻や胸の丸みは女らしいし、胸は身体を重ねていく内に、最初の頃より少し大きくなったような………
「(って……俺は何を考えて…///)」
抱いているときの陽菜の身体を思い出してしまい、勿体ないが頭から追い払おうとしたとき
「ねぇ。家康、聞いてる?」
「っ…!!」
陽菜が下から顔を覗きこみ、上目使いで俺を見てくる。しかも身体を引っ付けて……
陽菜の乱れている姿を思い出していたから、身体が少し熱くなっていて、そんなときに身体を引っ付けられると……いろいろと危険だ……。
「ごめん。考え事してて、聞いてなかった。」
「もぉー!次は聞いててね。煮物かお味噌汁、どっちにする?」
「……煮物も味噌汁も簡単なんじゃないの?ただ、煮るだけでしょ?」
「煮るだけだけど、お出汁をとったり、煮崩れしないように面取りしたり、煮る順番とか……いろいろ工程があるよ?」
陽菜の言葉に俺は驚く。煮物だけで、いろいろすることがあるとは……
「あ、家康の好きな根菜の煮物にしようか!政宗がよく作ってくれるものの方が、作り手の気持ちがわかるかもしれないし。頑張って作ろうね!」
引っ付いていたのを、腕を背中にまわして、ギュッと抱きつき、満面の笑みを見せる陽菜。少しずつ落ち着いていた身体の熱が、これだけで少し上がる。
「完成したら、一緒に食べようね♪」
「……うん。」
俺が食べたいのは陽菜だけど……その言葉は言わずに飲み込んで、やる気を出すために、陽菜の唇に掠めとるように、軽い口づけをした。