第78章 天邪鬼との愛の料理 ※R18
「ぱり………ハンバーグ!」
「ぐ?………グミ!……ぱりっ…」
「んぐんぐ………み、み、ミネストローネ!」
「ゴックン。…ね!?ね、ね、ね、……だめ!思い浮かばないー!!」
お姉ちゃんとお煎餅を食べながら、現代の料理しりとりをしてると、久しぶりに現代の料理が食べたくなってくる。
「ね、だったら私は『ねぎま』しか思い浮かばなかったかな。」
「ねぎまか~……久しぶりに食べたいなぁ~…」
葱とお肉があれば出来るから、この時代でも作れるかも……そんなことを考えていると
「陽菜、いる?」
廊下から家康の声がかかり、急いで襖を開ける。
「家康。どうしたの?」
「ちょっと聞きたいことが……あ、香菜も居たんだね…」
「私はもう、針子部屋に戻りますから、お二人でごゆっくり♪」
ニッコリ笑って、部屋から出ていくお姉ちゃん。気をつかわせちゃったな…
「入っていい?」
「あ、うん!どうぞ、入って!」
家康を部屋に招き入れて、襖を閉める。
「政宗に、料理を作る?家康が?」
「…うん。昨日ちょっと……」
昨日、政宗の御殿で食事を摂ったときに、いつものように大量に唐辛子をかけて、政宗にもいつも通り注意されたらしい。私が作ったのにはかけないのに、政宗の料理にはかけるから、一度、作った人間の気持ちを知れ!と言われたみたい。
「それで、陽菜にいろいろ教えてもらおうかと思って…。料理なんてしたことないし」
「そういうことなら、協力するよ!でも、私でいいの?」
私のより政宗の方が断然美味しいから、その政宗に納得させるには、料理番の方に教えてもらった方が、いいと思うんだけど……
「うん。少しでも陽菜と一緒に居たいし…」
そっぽ向いてポツリと話す家康。少し恥ずかしいのか、目元が少し赤い。
「!……私も家康と居たい…///」
膝に置いてる家康の手の上に、そっと自分の手を重ねる。すぐに家康が指をからめて、反対の手で頭を引き寄せられて……
「……じゃあ、明日の昼すぎに、俺の御殿に来て……」
返事をする前に、家康の唇が私の唇に触れた。