第77章 姉と世話焼きの勘違い ※R18
「「…………」」
「香菜、何かしてほしいことがあれば、遠慮せずに何でも言え。」
「じゃあ……、針子のお仕事させて…依頼されてるものがいくつかあるの……」
「それは駄目だ」
「……」
香菜が、秀吉に針子部屋から追い出された日から一週間。
針仕事は一切禁止にされてしまい、褥からあまり出させてもらえなくなった。
依頼されてるものさえ出来ず、香菜はかなり焦っていた。
そこへ助け舟を出すように陽菜と家康が声をかける。
「秀吉さん、ずっと居てたらお姉ちゃんも休めれないし、秀吉さんも仕事あるでしょ?私がちゃんと傍にいるから。」
「…信長様に呼ばれてませんでした?俺も香菜の容態を聞いたら、薬調合しますから…」
陽菜は香菜に呼ばれ、家康は秀吉に香菜の容態を診ておけ。と無理矢理連れて来られたのだ。
「そうだな。じゃあ香菜が無理しないように、しっかり見ててくれ。」
陽菜と家康の二人に念押ししてから、秀吉は部屋を出た。
「「「はぁ~……」」」
やっとため息を吐くことができた三人。
「秀吉さん、ずっとあんなに世話焼きしてるの?」
「そう…急に針子部屋にやってきて、追い出されてから一週間ずっと…」
「…お姉ちゃん、よく耐えれるね……」
「部屋から出ようとすると、いつの間にか秀吉さんの家臣さん達が、部屋の前にいて……半ば諦めてる。でも……依頼されてるものさえ、させてくれないなんて……」
香菜が焦っている理由は、依頼されてるものが中途半端で終わっていること。いくつか依頼を抱えていて、なかにはもうすぐ納期しなければいけないものもある。
しかし、それも、一週間休まされているため完成していない。
「ずっと、身体に障るとか、無理するな。ばっかりで……確かに依頼を受けすぎて、ちょっと無茶はしてるけど、いつもならこんなに駄目って言わないのに……」
秀吉の考えもわからなくて、いろいろと不安になっている香菜。
黙って姉妹の話を聞いていた家康。確かに香菜の顔色もそこまで良くないことを話し、薬が本当に必要か、いろいろ問診して、最後に
「あと………あんた、月のもの……来てる?」