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イケメン戦国『あなたに夢中』

第76章 お医者さんごっこ part2 家康side ※R18


「……え………いや、あの……」


その行動に驚く。だが、陽菜は気にしないのか…


「食べないとお薬飲めないよ?」



まぁ、そうなんだけど……




俺が口を開けるのを陽菜はにこにこしながら待っている。
かなり恥ずかしいが、誰もいないし……

耳まで赤くなっていると思う顔を、匙に近づけ、目を逸らしてから、口を開けお粥を食べる。


「美味しい?」


首を傾げながら聞く陽菜に、俺は目を逸らしたまま、頷くしか出来なかった。
だけど、陽菜はその返事に満足したのか、にこにこしながら、最後まで俺にお粥を食べさせてくれた。



「…ごちそうさま……コホっ、コホ……」

「うん。はい、お薬。」

「…ありがと……」


陽菜から、薬と白湯を受け取り、飲み込む。

「(……自分で作ったものだから、わかってたけど、やっぱり苦いな…)」


口の中は、陽菜が作ってくれた梅粥の味が広がっていたのに、一気に薬の苦みで消え、思わず眉を寄せる。


「薬飲んだし、ゆっくり休んでね。」


陽菜は、湯呑みを受け取り片付けると、俺を寝かせ、手拭いを水で濡らし絞ると、俺の額に乗せた。


「……ケホ…ありがとう……」

「どういたしまして。ゆっくり休んでね。家康の熱が下がるまで傍にいるから。」


その言葉に、俺は目を見開く。


「……ケホっ、帰るんじゃ……ないの?」


俺の言葉に、今度は陽菜が目を見開き、ふわりと優しい笑顔を見せ

「家康のこと心配なのに、帰れるわけないよ。」

そう言った。


「(強く、言ったのに……)」

怒りもせず、俺の傍に居てくれる陽菜。
つくづく陽菜の優しさに、俺はいろいろと救われている。


「……ありがとう………陽菜…」


掛布を口元が隠れるぐらいまで引き上げ、恥ずかしさから、目を逸らして礼を言うと、すぐに目を閉じた。

熱で身体が怠いのと、薬が効きやすいやつで、眠気は早くにやってくる。


「おやすみ。家康。」


意識が遠退く直前、陽菜の優しい声が聞こえ、俺は眠りについた。

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